太陽のあいつ《完結》

何も言えず、
うつむいてしまう俺。


アツシはそんな俺の手を
更に強く握り、
自分に引き寄せた。


持っていたカバンを床に落とし、
一気に脱力する。



「ケイタ…。
俺も好きなんだ…。
初めて会ったときからお前のこと気になってた。
ずっとお前のこと見ていたいんだ…」



耳元でささやくアツシの声が
カラダ全体に浸透し、
モヤモヤした気持ちが
一気に取り除かれて行く。



「…アツシ」



俺よりも少し背の高いアツシ。


そんなアツシのカラダに
俺も強く手を回し、
鼓動を感じた。


制服越しの体温が
何とも言えない心地良さだ。