今のままでは、
きっと無理だ。


水泳も辞めちゃったほうが
良いのかな…と思っている。


学校が終わったら、
真っ直ぐ家に帰るか、
姉ちゃんのように
バイトをしたほうが
母さんも喜ぶかな…何て考えたりもする。


そんな理由で辞めても
母さんが喜ぶわけないと分かっていた。


ただ、
辞めるキッカケが欲しいだけだ。


そんな俺とは違って、
ナオキはグイグイと自分のタイムを更新している。


この調子だと、
秋の大会では
地区予選に行けるだろうと
末永も言っていた。


恋も部活も順調なナオキが羨ましい。


妬んだりはしない…
でも、少しで良いから
幸せを分けてほしいと思った。