太陽のあいつ《完結》

「部活は休むなよ。
お前はもっと早く泳げるようになるから!な?」



俺がもっと泳げるようになる?
ホントかよ?



こないだたまたま良い記録が出たけど…
あれはお前が…
アツシが居たからだ。


でも今日はサオリも待っている。


サオリを泣かすことは出来ない。


俺の大事な彼女なんだ、
大事な…。



「…ごめん」



俺はアツシの腕を振り払い、
逃げるよう走った。


とにかくアツシの視界から消えたかった。


また目頭が熱くなり、
胸が苦しい。