そんな気持ちだから、
サオリの付き合いもテキトーになってしまう。


一緒に食べる弁当も
サオリの話を聞いているフリして
アツシのことを考えていた。


サオリの焼いた卵焼きも
アツシのことを考えながら食べていた。


でも言えるわけがない。


サオリにだって、
ナオキにだって…
ましてやアツシにだって、
絶対に言えない。


言えない辛さって
こんなに苦しいんだな。


気持ちを隠すってことって、
こんなにもどかしいんだな。