水の中から、
勢い良く飛び出した俺はゴーグルを外し、
末永を見つめた。


何とも言えない渋い顔。



「ん…
どうも、最後が延びないな…。
持久力がなくなっているぞ。
どうした?」



ハアハアと息切れする俺は、
返答をするのが面倒で
末永に背を向けた。


25mのプールは他の部員がクロールや平泳ぎ、バタフライをする勢いで、
大きな水しぶき立ち、キラキラと光って綺麗だ。



「おい?聞いているのか??
お前…このままだったら、今年もタイム伸びないぞ。
自主レンサボるなよ」



そう言い残し、
末永は他の奴に「タイムを計るぞ!」…と声をかけた。