俺はサオリの背中をポンと押し、
教室を出ようとした。


その時、
アツシの視線を感じた。



ん??何だよ…
その顔…。



少し寂しそうな視線を送るアツシが視界に入り、
俺の胸はまた締め付けられた。


そのまま廊下へ出ると、
屈託のないサオリの笑顔が目に入り、
気持ちが落ち着く。



アツシ…
何であんな顔してたんだ??


あ…、
俺に彼女がいること
知られちゃったな…。


でも…
良いよな。


別にアツシはただの……
友達なんだし。

それに男なんだし…。


何、気にしているんだろう。