「お、母さん…」
「どうしたの?」
振り向いて優しく微笑んだ。
「最近ね…頭がくらくらして、気分が悪くなるの。」
「そう、なの…」
お母さんは、悲しそうな目をして言った。
―お母さん…
ごめんね?
私、親不孝ものだよね
「美空…病院行こっか。」
「うん…」

病院に行った。
先生は言った。
「抗がん剤治療を始めたほうがいいと思います…」
―やっぱり
そうだよね
「先生、わかりました。私、治療します。」
―後悔してからじゃ
遅いもんね
「早速、今日から入院治療を始めます。」
お母さんは立ち上がり、
「美空をよろしくお願いします。」
と言い、頭を深々と下げた。

病室に入った。
「お母さん…私のことは、心配しないでね。大丈夫だから!!」
笑顔で言う私に
「あんまり、無理しないでね。じゃあお母さん、また明日来るわね。」
と寂しそうな目をして言い残し、病室を出て行った。
「お母さん、ごめんね…」
―これから
治療頑張らなきゃ