ある日の放課後。
｢美空!!一緒に帰ろう。」
目を細めて笑う麗奈ちゃん。
｢あ、ごめん。ちょっと用事があるから先に帰ってていいよ!!」
｢わかった…」
少ししょんぼりしたように見えた。
―ごめんね、麗奈ちゃん
麗奈ちゃんには、
いっぱい言わなきゃいけないことがあるよ…
私、死ぬ前に悠哉くんに気持ち伝えるね
教室を出ようとした悠哉くんに話しかけた。
｢あ、あのさ…」
｢ん？どうした？」
｢今日、いっ一緒に帰ってくれないかな」
悠哉くんは、驚いた表情をしていた。
―やっぱり
無理だよね
｢やっぱり、いいよ…」
帰ろうとした私の腕を悠哉くんが掴んだ。
｢…いいよ。一緒に帰ろ。俺も一緒に帰りたかったしさ!!」
ニコッと笑いながら言った。
その笑顔が眩しかった。
｢あ、うん…ありがと…」


帰り道…
｢悠哉くんは、好きな人とかいないの？」
私は、首を傾げた。
｢いるよ。すっげぇ、可愛いヤツが」
―好きな人いるんだ…
しかも、すっごく可愛いのか…
｢そ、そうなんだ…」
落ち込む私に、
｢美空は？いるのか？」
―えっ!?
｢う、うん…いるよ…」
｢だれだれ？」
その質問に言葉が詰まる。
｢その人は、すっごくかっこよくて、優しくて…」
｢そうなんだ。美空ならいけるよ!!」
笑顔で悠哉くんが言った。
―気付いて私の気持ちに
ねぇ
｢…そ、そんな無責任なこと言わないでよ!!」
悠哉くんに怒鳴った。
驚いた顔をする悠哉くん。
私は、続けた…
｢ねぇ、どうして私なら大丈夫って思うの？そ、そんなのわかんないじゃんっ…わっ私が好きなのは、悠哉くんだけなの…かっこいいって思ったのも、悠哉くんだけなの!!」