あたしは一口飲み、喉を潤す。


「じゃあ今日はたくさんお客さんが来てくれて
大繁盛だなあ。はははっ」


なんて笑いながら言われる。


「いつも女の人は多いじゃないですか
健斗がいるから」


「リコがいる日は男が多いよ
いつもの倍以上ね」


後ろから声がして振り向くと、楽器ケースをたくさん抱えた健斗。


「女は健斗目当てでしょ」


「男はリコ目当てだけどな」


この男は…




あたしはグラスの中身を飲み干した。


「いい飲みっぷりだねぇ~!
二十歳とは思えないよ」


「はは、あたしお酒強いもん。健斗よりね!」


二十歳…か。
ほんとは二十歳じゃないけどね。