マー君2(原作)

「俺は昔から人を信じるのが嫌いだった。そんな俺がいきなり人を信じられるか?」

一樹はカバーを閉じ、踵を返し家に向かって歩きだした。

「人を信じる・・・・・・」

踵を返し正面を見ると、誰もいなかった。

狭い道が果てしなく前に延びている。

殺伐とした光景の中、立ち止まり考えた。

人を信じる。

信じる。

信じる。

だけど、俺は−−。

『この、偽善者がっ!』

美代に言った言葉が頭から離れない。

何度も何度も頭の中で繰り返される。

繰り返され−−。