マー君2(原作)

今まで溜め込んでいた何かが、少しだけ体から抜けていく気がした。

「何、熱くなってるんだ、俺は」

「なら、冷ましてやろうか?」

突然横から拳が飛んできた。



一樹は何が起きたかわからなかった。

「なっ」

地面に崩れ落ち、顔を上げると、目の前によく知る顔があった。

「誠・・・・・・」

同じクラスにこいつがいることを忘れていた。

美代、七恵、恭介、誠−−。

いつも一緒にいる奴があんな光景を見たのだ。

俺が美代にしたことを。

当然といえば、そうなる。

繋がりという見えない力が、この馬鹿を奮い立たせたのだろう。

「立てよ」

いつも一緒にいる友達が、別人に見える。

あの馬鹿騒ぎする顔は消え、眉間に皺を寄せた顔があった。

「いきなり、グーかよ」

一樹は誠の顔が見れず、顔を伏せたままゆっくり立ち上がった。

「一樹、ありゃあ何の真似だ?」

やっぱりか。

一樹湿った唇を手の甲で拭った。

その間誠はぴくりとも動かず、一樹を睨み付けていた。

「お前そこまで堕ちたか? 前々からわかってたが、ありゃあねーぞ、おい!」