マー君2(原作)

「俺に選択肢はないのかよ」

ぶつぶつ呟きつつも、一樹はメール文を打ち込み、内容を確認した。



俺はもとから誰も信用していない。

あいつらだってただの友達で、それ以上ではない。

だから、これは俺が解決しないといけない。

これ以上誰も巻き込みたくない。



返信後、顔を上げ辺りを見回した。

昼前もあり、道行く人影は見当たらない。

ただ、向かいの塀の上に白猫がまるで警戒するかのように鋭い目つきでこっちを睨んでいる。

敵意丸出しという所か。

けど、それは−−。

同じかもしれない。

今の俺はあの猫と同じように敵意を放っているのかもしれない。

仲間に−−。

また携帯が振動する。

メールを見ると奴からだ。



友達を巻き込みたくないから、逃げるのか?

今の君はただ逃げているだけだ。

友達と向き合おうとしないだけだ。

信じなければ、勝てないぞ!

この悪夢に。



「簡単に言ってくれるな、こいつ」

一樹は素早く文字を打ち込み、返信内容を書いた。



そもそもお前矛盾してるぞ。

簡単に人を信じるな。

それなのに、信じろだと?

お前他人事だと思って適当な事言ってるんじゃあないのか?

今危険に曝されてるのは、俺なんだぞ?

お前じゃあなく、俺だ。



メールを返信すると、少しだけ気分が落ち着いた。