マー君2(原作)

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「人を信じろ。

それがこの惨劇を止める方法、か」

一樹は雲が少ない青空を見上げながら、独り言を呟いていた。

俺らしくもない。

独り言など呟くなんて。

学校の屋上のフェンス近くで横になって、じっと空を見上げる。

透き通るような雲が風に流されゆっくりだが、とても早く移動している。

雲原型を留めず、あらゆる形に変わり流されていく。

心地よい夏風が、日差しと共に乱れた心を落ち着かせていく。

一樹は右腕を額に宛て、眩しい日差しを遮る。

そして、またぽつりと独り言を呟いてみる。

「俺は、なんであんなことを−−」

−−この、偽善者がっ!

美代に言った言葉が、胸に深々と突き刺さる。

まるで、吸血鬼を仕留める杭のごとく。

耐えられないぐらいに。

痛い。

苦しい。

だけど、美代はもっと苦しいはずだ。

俺よりずっと。

「クソッ、なんでこんなことにっ」

歯を食いしばる。

手を握り絞める。

それでも、苦しい。

こんな弱い自分が。

俺がもっと強かったら、こんなことにはならなかった。

もっと力があれば、母さんだって救えた。

いや−−。