マー君2(原作)

殺される。

そう思った瞬間。

一樹は目をかっと開き、勢いよく美代の手を弾いた。
「触るなっ! この−−偽善者がっ!」

「か、一樹?」

美代が弾かれた手を押さえ、弱々しそうにこっちを見る。

一樹の怒鳴り声に教室内は硬直した。

そんな重苦しい空気の中、一樹は俯く美代を通り越し、教室から出て行った。

その間誰も口を開けなかった。

誰も−−。