マー君2(原作)

「一樹、一樹ったら!」

一樹は目を大きく見開いた。

気付けばいつの間にか立ち上がっていた。

周りはしーんと静まり返っている。

「一樹、座りなよ」

手を掴まれ、はっとする。

後ろの席の美代が、小声で注意している。

周りを見ると、皆席に着き、こっちを見ている。

黒板の前に立つ教師−−柳橋も、硬直しながらこっちを見ている。

皆白い仮面はつけてない。

いやついていない。

一樹はようやく現状を把握し、ゆっくりと力なく席に着いた。

夢・・・・・・だった。

あれは。

美代が襲ってきたのは−−。

「一樹、大丈夫? ねぇ」

美代が心配そうに呼びかけてくるが、一樹には聞こえていなかった。

ただ机の一点だけ見つめていた。

いかれている。

何もかも。

一樹のその様子を見ていた美代は、立ち上がり柳橋に言う。

「先生一樹君を保険室に連れて行ってもいいですか?」

その提案を、柳橋は迷うことなく承諾した。

「さあ、一樹行くよ。しっかり−−」

美代が一樹を立たせようと、一樹の腕を掴んだ。

その瞬間、一樹の脳裏をさっきの光景が過ぎった。

白い仮面をつけた美代が、鎌で切り付けてくる映像が−−。