マー君2(原作)

「な、なんで−−」

一樹は頬杖を外し、勢いよく立ち上がった。

しかし、異変はそれだけではなかった。

いつの間にか、周りから自分の名前が聞こえてきていた。

「一樹君ってさーああ見えてさー」

「一樹ってノリ悪くねー?」

「ああ、優等生ぶって、俺らのこと見下してんだよ」

「ありえない、一樹君私達のこと馬鹿にしてたなんて」

「サイテー」

「サイテー」

「サイテー」

「お、おい! なんのじょ−−」

一樹が最後まで言う前に、あるものが見えた。

白い仮面が。

気付けば皆白い仮面をつけていた。

皆。

「一樹?」

後ろから名前を呼ばれる。

美代の声が−−。

一樹はその方向をゆっくり振り向いた。

ゆっくりと。

そこには白い仮面をつけた美代がいた。

手に鎌を持って。

血塗られたそれを振りかざしていた。

一樹に向けて。

「み、よ」

「ひどいよ、一樹。ひどいよ、なんで裏切ったの? 私を、皆を。

お母さんを!」

次の瞬間勢いよく鎌が振り落とされた。

一樹は両腕で顔を覆い隠し、声の限り叫び散らした。

「美代おおおおおー!」