マー君2(原作)

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学校に着いてからも、一樹は落ち着かなかった。

母親に追求されたこともあり、あれ以降警察に連絡していない。

そもそもこの社会のシステムは脆すぎる。

何か自身に危険が及ぶと、すぐ警察を頼る。

もし警察が敵だとしたら?

そんな考えもなしに、事件が起きたらとりあえず警察。

この考えは浅はかすぎる。

黒の仮面−−。

マー君が復活したか定かではないが、現に感染者が現れてきている。

母さんも−−。

一樹は机の上で頬杖つきながら、ぼーと外を見つめていた。

休み時間独特の騒がしさが、教室を満たしている。

しかし、それは時に耳障りで、気分を害する。

晴天下の日を存分に浴びている校庭は、数人の生徒の笑い声に満ちている。

今日も飽きずにサッカーに興ずる学生達。

何が面白くてあんなにはしゃぎまくるのだろうか?

彼らは何も知らないから、あんな自然に笑えるのか。

何も知らないから。

ふと風が吹き、笑い声が止まる。

何故かサッカーをしている少年達が、こっちを見上げている。

サッカーを中断して。

一樹は息を飲んだ。

自分に向けられている白い仮面に。

いつの間にか、サッカーをしていた少年達の顔に白い仮面がはめられていた。