が。
次の瞬間−−。
仮面は消えていた。
そこにはいつもの母親の顔があった。
にこやかに笑う顔が。
一樹は大きく見開いた目を下ろし、平静を取り戻そうと口を開いた。
事実なのだ。
昨夜の出来事は。
「母さん?」
「なーに?」
フライパンから目玉焼きをテーブルの上の皿に滑らせながら、母親が応える。
一樹はコップを置き、食パンに噛り付く。
カリッと焼けて香ばしい。
「親父はどうしたの?」
声が震えている気がした。
『どうしたの?』
それはいくつかの意味を含んでいた。
自分で言った一樹も、すぐに後悔した。
緊張のせいで、変な聞き方をしてしまったが、もう取り消せない。
「どうしたの? あ、そうそうお父さんね」
母親が含みのある口調で告げた。
一樹はテーブルの下で拳を握り、身構えた。
次に発せられる言葉に−−。
殺しちゃったの。
そう聞こえてくると思ったが、聞こえてきたのは、他愛もない事柄だった。
「昨日から仕事で海外に出張になったの。だからしばらく・・・・・・帰ってこないの」
何故か語尾が強調されていた。
帰ってこない。
まるで警告のように聞こえた。
帰ってこない・・・・・・。
次の瞬間−−。
仮面は消えていた。
そこにはいつもの母親の顔があった。
にこやかに笑う顔が。
一樹は大きく見開いた目を下ろし、平静を取り戻そうと口を開いた。
事実なのだ。
昨夜の出来事は。
「母さん?」
「なーに?」
フライパンから目玉焼きをテーブルの上の皿に滑らせながら、母親が応える。
一樹はコップを置き、食パンに噛り付く。
カリッと焼けて香ばしい。
「親父はどうしたの?」
声が震えている気がした。
『どうしたの?』
それはいくつかの意味を含んでいた。
自分で言った一樹も、すぐに後悔した。
緊張のせいで、変な聞き方をしてしまったが、もう取り消せない。
「どうしたの? あ、そうそうお父さんね」
母親が含みのある口調で告げた。
一樹はテーブルの下で拳を握り、身構えた。
次に発せられる言葉に−−。
殺しちゃったの。
そう聞こえてくると思ったが、聞こえてきたのは、他愛もない事柄だった。
「昨日から仕事で海外に出張になったの。だからしばらく・・・・・・帰ってこないの」
何故か語尾が強調されていた。
帰ってこない。
まるで警告のように聞こえた。
帰ってこない・・・・・・。


