マー君2(原作)

ただ一点気になることがある。それは--。

「でもさー咲子さんの警告って変わってない?」

美代がおかしそうに言う。一樹は肩の力を抜いて、美代に言った。

「あの人は少しおかしいんだよ。まあマー君の熱狂的ファンっていうものは、あんな感じなんだろう」

「そーなのかなぁ? 優しそうな人だったけど」

「美代は外見で人を見すぎた。人は中身で見ろ。そうしないと痛い目に会うぞ」

そう、それが咲子の警告だ。咲子の話では本来マー君の最も恐ろしいのは、ネットを通して人の弱い心に付け込むこと。

政府の発表は嘘で、マー君の本来の姿は知能を持ったネットウィルスとされ、そのウィルスに感染した人間は、自身の感情を抑えられなくなるそうだ。

そして、感染者は周りの人間に恐怖を与える。

視覚からの恐怖を。

それが幻覚を引き起こし、感染者自信の姿を誤認させてしまう。

それは初耳だったが、咲子が昨夜見たのがそのウィルスに感染した感染者だというのだ。何故ならその仮面の下は--。

「もう、一樹は。私にお説教しないでよ。べぇーっ」

美代がアッカンベーをした後、手を振って自分の家の方へと走っていった。