「ふーん、それだけ?」

KPSは甘ったるい声で桐原を問い詰めるが、桐原は無視して画面を見つめた。

テレビ画面には一樹と一緒に下校する姿が映っている。

二人は楽しそうに話をし、いつもの別れ道で別れを告げる。

そのワンシーンが桐原の目に鮮明に焼き付いた。

「可能性か・・・・・・」

今は見守るしかない。

彼らが真実を知るまで。



宮下一樹の章終わり