顔に土がかかり、視界が塞がれる。

まだ生きているのに。

土の中にいる。

「全ては狂い出したんだよ、一樹君」

母さんの声が微かに聞こえる。

「この悪夢は、止められない」

その言葉を最後に、一樹は闇に飲み込まれた。

今度こそ。

深い闇に。

一樹は謝ることしかできなかった。

皆に−−。

ごめん、と。

そうすることしかできなかった。

そして、一樹は動かなくなった。