マー君2(原作)

「何故お前は現れた? マー君はマー君怪奇事件で消滅したんじゃあないのか? 黒の仮面によ−−」

「よく喋る奴だな、おい。僕の気に障るようなこと言ってると」

母親は一樹の顔に仮面を近づけ、声を低めた。

「殺しちゃうよ」

そう言い、一樹をおもいっきり床に叩きつけた。

「まっ、てって! お前は消えたはずなのに−−」

「あーあ! いちいちうるさいな!」

一樹は手足を固定されているため、床におもいっきり顔を打ち付けた。

しかも、身動きがとれないため、母親がどこにいるかわからない。

もし、奴が何かしてきたら・・・・・・。

一樹は始めて恐怖を覚えた。

見えない恐怖を。

母親が今俺を殺そうとしているのか?

何も見えない。

視界が低い。

目の前のソファの脚しか見えない。

動こうにも、動けない。

急に静かになった。

さっきまで平静を保っていたのに、状況が把握できなくなると不安にかられた。

その不安が膨脹して恐怖を生む。

一樹はその不安をまぎらすために、必死に首を動かし母親に叫んだ。

「おい、おいったら! まだ話は終わってないぞ。答えろよ、俺の質問に!」