「これで隠す必要がなくなったわね。まあ君は何も知らない方が幸せだったと思うけど。
君が望んだんだろ? こうなることを」
仮面が現れた途端、母親の口調が変わった。
一樹は眼力を緩めず、穴が空くぐらい母親を睨んだ。
いや、正確にはマー君信者だ。
そんな一樹を見てか、母親が鼻で笑う。
「なんて愚かな行為だ。人を信じるなんて。信じたって裏切られるだけなのに。
人はそういう生き物だからね。違うかい?」
「違うな。そう思ってるのはお前だけだ」
「おいおい強がるなよ。『殺さないで〜、お母さん』とか助けを求めろよ。なあ」
一樹は睨むのをやめ、微かに口元を緩めた。
その笑みを見た母親は、突然怒りを爆発させ、一樹の頭を−−長い黒髪を掴んだ。
頭に激しい痛みが走る。
が、一樹は歯を食いしばり耐えた。
せめてもの抵抗だった。
「そ、う、怒るなよ。感染者のくせに」
「調子に乗るなよ。君は−−」
「それより」
一樹は顔を無理矢理上げさせられたまま、すぐ頭上に見える白い仮面を睨んだ。
君が望んだんだろ? こうなることを」
仮面が現れた途端、母親の口調が変わった。
一樹は眼力を緩めず、穴が空くぐらい母親を睨んだ。
いや、正確にはマー君信者だ。
そんな一樹を見てか、母親が鼻で笑う。
「なんて愚かな行為だ。人を信じるなんて。信じたって裏切られるだけなのに。
人はそういう生き物だからね。違うかい?」
「違うな。そう思ってるのはお前だけだ」
「おいおい強がるなよ。『殺さないで〜、お母さん』とか助けを求めろよ。なあ」
一樹は睨むのをやめ、微かに口元を緩めた。
その笑みを見た母親は、突然怒りを爆発させ、一樹の頭を−−長い黒髪を掴んだ。
頭に激しい痛みが走る。
が、一樹は歯を食いしばり耐えた。
せめてもの抵抗だった。
「そ、う、怒るなよ。感染者のくせに」
「調子に乗るなよ。君は−−」
「それより」
一樹は顔を無理矢理上げさせられたまま、すぐ頭上に見える白い仮面を睨んだ。


