マー君2(原作)

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話し声が聞こえる・・・・・・。

誰が話しているんだ?

一樹は目を開けた。

そこは見覚えのある所だった。

俺が昔いた所。

名門私立中学校−−。

一樹は教室の真ん中の席に座っていた。

周りの席には誰も座っていない。

クラスメート達は一樹から離れるように教室の隅に立っている。

それに。

一樹を見て何か小声で話している。

一樹は周りから聞こえる噂に耳を傾けた。

全て俺の悪口だ。

「つーかさ、ありえねくね? あいつ俺らのこと馬鹿にしてんじゃね?」

「一樹君ってなんか違うよね。KYすぎない?」

「自分がいつも1番って考えてんでしょ」

「ってか、うざくね? 何様のつもりだよ」

「頭がいいだけのロボットかよ」

一樹は黙って机を見下ろしていた。

そうだ。

俺は皆と違う。

違う人間なんだ。

奴らは偽善者を気取り、集団に身を置くことでしか身を守れない−−。

弱い生き物だ。

だから、俺は・・・・・・。

机の上に教科書を置く。

緑色の表紙−−英語の教科書を開く。

が、その開いたページは真っ白だった。

しかし、次第に赤い血が滲み出て、ページいっぱいに文字を描いた。