マー君2(原作)

正面に見えてきた十字路をどっちに向かうか考えた。

この通りは美代といつも別れる分岐点だ。

一樹は思考をフル稼動し、次にとるべき行動を考えた。

その結果出た答えがこれだ。

「とにかく美代、今どこにいるんだ? 今からそっちに行く」

すぐに返事はなかった。

迷っているのだろうか。

返事を急かそうともう一度口を開こうとした時、美代の涙ぐんだ湿った声が聞こえてきた。

「一樹は美代のこと、信じて、くれる?」

「俺は−−」

ずっと避けてきた。

そんな目に見えない繋がりなんて。

だけど、今わかった。

一人じゃあ乗り越えられないこともあると。

「俺は−−」

馬鹿だった。

こんなに状況が悪くなるまで、気付かないふりをして。

すぐ近くに仲間がいたのに。

俺がしっかりしていれば、皆のことをもっと知ろうとしていれば。

皆を信じていれば、こんなことにはならなかったかもしれない。

七恵も救えたかもしれない。

なのに−−俺は。

俺はっ!

一樹は声に力を込めて告げた。

「美代を−−皆を信じるっ!

もう大切な物を失いたくないんだ! だから−−」

俺は−−。

覚悟を決めた。