勝ち目は、この瞬間にゼロ。
血の気が引いて、呆け、それが命取り。
ビームがひどくゆっくりと、コクピット目掛けて伸びていく。
迫り来る死に鎌。
絶対死の烙印を押し付ける、肉を焦がす焼印が人間を押し潰そうと。
光の塊が来る。確実に当たるだろう軌跡はしかし、
「Shield!」
高らかな宣言と共に掻き消された。
なんて非現実。黒赤の鎧装を纏った人間が、突き出した『古き印』で霧散に処した。
粒子を撒き散らす四枚の羽根は、天使より蝙蝠。
人ではなくEXCASでもないどっちつかず、まさに蝙蝠その物ではないか。
だがその力強さ、蝙蝠などの比ではない。
友人のために駆けつけた、友人のために盾を張った。その様を蝙蝠などと比べるな。
身の丈以上もある剣を、羽毛の如き軽さで振り回す。
軽装の防具に身を包む姿はファンタジーに現れる戦士を想像させる。
開幕を告げよ、赤戦士。
戦の空に閃空となり吹き荒べ。
如何なる光線も『古き印』の前に掻き消され、その身を脅かす物は何もない。
如何なる装甲も銀剣の前に折れ叩き斬られ、その身が脅かす台風となる。
序章の中に、一つの主旋律が近付いた。
戦争はここに、短幕ながらも激戦へと加速していく。
あと幾回、このような山が来るだろう。
あと幾回、このように荒れる波がくるだろう。
その度その度に、また一層離れていくモノがある。
友人であり、
大切な何かであり、
日常にいた自分。
悲劇と呼ぶか喜劇と呼ぶか。
愉悦と取るか悲壮と取るか。
未だ、結末を知る者はここにない。仮定は結果を形作る。彩られた劇の美しさ、それはどう覚えられるだろう。
今、一つの過程が色づく。
その色、芸術。
どのような劇を魅せてくれる。
END
血の気が引いて、呆け、それが命取り。
ビームがひどくゆっくりと、コクピット目掛けて伸びていく。
迫り来る死に鎌。
絶対死の烙印を押し付ける、肉を焦がす焼印が人間を押し潰そうと。
光の塊が来る。確実に当たるだろう軌跡はしかし、
「Shield!」
高らかな宣言と共に掻き消された。
なんて非現実。黒赤の鎧装を纏った人間が、突き出した『古き印』で霧散に処した。
粒子を撒き散らす四枚の羽根は、天使より蝙蝠。
人ではなくEXCASでもないどっちつかず、まさに蝙蝠その物ではないか。
だがその力強さ、蝙蝠などの比ではない。
友人のために駆けつけた、友人のために盾を張った。その様を蝙蝠などと比べるな。
身の丈以上もある剣を、羽毛の如き軽さで振り回す。
軽装の防具に身を包む姿はファンタジーに現れる戦士を想像させる。
開幕を告げよ、赤戦士。
戦の空に閃空となり吹き荒べ。
如何なる光線も『古き印』の前に掻き消され、その身を脅かす物は何もない。
如何なる装甲も銀剣の前に折れ叩き斬られ、その身が脅かす台風となる。
序章の中に、一つの主旋律が近付いた。
戦争はここに、短幕ながらも激戦へと加速していく。
あと幾回、このような山が来るだろう。
あと幾回、このように荒れる波がくるだろう。
その度その度に、また一層離れていくモノがある。
友人であり、
大切な何かであり、
日常にいた自分。
悲劇と呼ぶか喜劇と呼ぶか。
愉悦と取るか悲壮と取るか。
未だ、結末を知る者はここにない。仮定は結果を形作る。彩られた劇の美しさ、それはどう覚えられるだろう。
今、一つの過程が色づく。
その色、芸術。
どのような劇を魅せてくれる。
END



