EXCAS

 歩みは音に従っていた。
 けれど併せていたのは初めだけ、
 次第に駆け足になり、
 追い抜く勢いで走った。
 舗装されていない道を抜け、二人はそこにいた。

「レナ! リン!」

 柄にもなく大声で二人を呼んだ。
 希望通り、リンは断崖の下で泣いていた。
 レナに背中を擦られ慰められながら、不安に満ちた視線が二つ向けられた。

 もう一度彼女達の名前を呼び、全速で駆け――

 瑠璃色の閃光と轟音がなり、崖が崩れた。