EXCAS

 ――異質なノイズが頭に沸く。
  削除と入力しても消えない呪い。
 ――腕を支配する。
  侮蔑の思いが否定をするが、本心だけは全てを肯定。
 ――突き動かされる衝動に、この身を委ねよう。
  例え危険であっても、

 赦せぬは否定しろ。それが敵なら駆逐しろ。
 弱者なら踏み潰せ。それが自身なら、力の限りぶち壊せ。
 難しくない、出来ぬと嘆かない、後押しの麻薬くれてやろう。
 決して引き返せぬ快楽を、止められぬ暴虐を。汝が望まぬ物であったとしても、

 ――それは俺が支配する。

 ――それは吾が支配する。

「だから、力を貸せ!!」

 蒼い閃光が天使を焼く。だが痛みも何もなく、ただ優しい。
 痛みを伴わない光。だが闇にとって天敵以外の何物でもない。
 白を黒が飲み込むように、強い白が黒を飲み込めるように、光は闇を飲み込める。
 光は徐々に広がって、空を包み込み――