EXCAS

 銀のトンネルを、高速で亮太は戻っていく。
 上へ下へ、左へ右へ。
 幾度も敵と衝突しながら、けれど喚きながらあっさり打倒して先へと戻っていく。
 宇宙空間がひどく恨めしい、溢れていく涙がパイロットスーツの中に浮かんで視界がぶれる。息苦しくてヘルメットを思い切り放って、ぐしゃぐしゃに拭っても涙は消えない。
 恨みたいのか、悲しみたいのか、嘆きたいのか、怒りたいのか、感情の制御が出来ない。
 ただ流れる涙に、外へという意志の元に身体は動く。

 まったく、すまないな。君まで、こんな事に巻き込んでしまった。

 気にしないでいいです。帰ろうと思えば帰れたと思われますが、本当は帰るつもりなんてありませんでしたよ。
 そうですね。彼が、私に恨まれるように仕向けた数日から、その心の中に別の人を見出せた時から。

 難儀な奴らだ。誰かのために死に急ぎたがる、それはここが戦場だからか。
 そんな人間ばかりが生まれるようでは、人類も長くはないな。

 それでも誇らしい事だとは思いませんか?
 自分のためではなく誰かのために、そう信じる人間がいるからこそ、生きてこれたと思うのですが。