答えないのならそれでもいいと、渾身の一撃が振り下ろされた。
どんな流れよりも速く乱雑に、ただ命だけを奪う技に美しさはいらない。
ありもしない風が唸る。その場で傷を抑えたショウを両断する。そんな、幻想。
「…………ないから」
星を描いた盾が輝く。星の色を讃えて、星の輝きを放って、星の偉大さを誇って。
剣は星を前に沈黙した。万人は彼を前に驚愕の沈黙を要した。満員ホールにてクライマックス、男の役者は高らかに台詞を読み上げた。彼という台本に綴られた、答えという台詞を。
「後悔、したくないから」
競り上がる血液を飲み下し、軋み唸る骨を堪え、強い眼差しは誰かを捕らえた。
「せめて、後悔したくないから。だからこうして此処にいる。後悔しない選択をして、こうして戦場(此処)にいる」
『果たしてそうか! 友を失い、その身は傷つき、それで後悔しないと本当に言い切れるのか!』
「答えられるわけないだろう! 今を精一杯に選んで生き続け、その結果がこれだ。他に何か選択があったかもしれない、他に何かが出来たかもしれない。だけどそれでも後悔をしたなんて言えないんだ!」
『何故! 簡単じゃないか!』
その先を、言わせてはいけない。ショウは、必死になって刃を振るった。一合、二合、打ち付けるたびに身体が泣き叫ぶ。
どんな流れよりも速く乱雑に、ただ命だけを奪う技に美しさはいらない。
ありもしない風が唸る。その場で傷を抑えたショウを両断する。そんな、幻想。
「…………ないから」
星を描いた盾が輝く。星の色を讃えて、星の輝きを放って、星の偉大さを誇って。
剣は星を前に沈黙した。万人は彼を前に驚愕の沈黙を要した。満員ホールにてクライマックス、男の役者は高らかに台詞を読み上げた。彼という台本に綴られた、答えという台詞を。
「後悔、したくないから」
競り上がる血液を飲み下し、軋み唸る骨を堪え、強い眼差しは誰かを捕らえた。
「せめて、後悔したくないから。だからこうして此処にいる。後悔しない選択をして、こうして戦場(此処)にいる」
『果たしてそうか! 友を失い、その身は傷つき、それで後悔しないと本当に言い切れるのか!』
「答えられるわけないだろう! 今を精一杯に選んで生き続け、その結果がこれだ。他に何か選択があったかもしれない、他に何かが出来たかもしれない。だけどそれでも後悔をしたなんて言えないんだ!」
『何故! 簡単じゃないか!』
その先を、言わせてはいけない。ショウは、必死になって刃を振るった。一合、二合、打ち付けるたびに身体が泣き叫ぶ。



