EXCAS

 竜に砕かれ、花に手はない。
 昏い夜の世界、宇宙の空にそれらは残骸となっていた。

 その焦げたセンサーに、何かが映った。

 とても小さな、竜ではない影。

 白銀の長い髪から蒼翠の瞳が爛々と輝く。宝石より明るく、炎より熱く、生命より尊い意思を伝える剣があった。赤と白の鎧を身に纏い、六枚の純白の翼が神々しい。
 今は怒りに燃えた本気が、彼岸花に永久とも思える時間を与えた。
 この空間に音などない。
 だが、本当の意味で無音だった。

 センサーも動力部も駆動系が奏でる歯車音も。
 すべての音が聴こえない。
 一秒間は一年より長く、振り上げた剣が緩慢に、吹き上がる魔力は火山の噴火。
 焼き付く姿が、古くにあった王の姿に似ていたと誰が知る。