EXCAS

 あれは一体なんだ、と誰かが言う。
 答える者はない、その問いはただの音となった空気に溶けた。
 より、大きな音によって。

 何という言語か、それとも雄叫びか。
 機械的な竜の声でも、彼岸花の恐怖に狂った声でもない、冷たく憤った第三者の声が轟き渡る。
 身近なそれは、韻的には命令か。竜の名前か。どちらにしろ、竜は反応し行動を変えた。

 純粋に破壊だけを考えていた竜は、その矛先を触腕操る本体へ捉えた。
 邪魔をする物は容赦なく、必要以外の物には興味なく、壊して壊して捕まえた。頭を鷲掴み、力が篭るたびに変形していく。だが、それはあまりに無謀。
 未だに無数と思える腕があるにもかかわらず本体へ、それらに最も近い場所へ乗り込んだ。この好機、逃すほど恐怖に盲目していない。