EXCAS

 闇よりも昏く、夜よりも深い黒。古に語られた竜の姿を模した怪物。
 爪や牙、右の瞳は夕闇より深く澄んだ紅い色。
 唯一、明るいこの世界の色を含んだ左目。空よりも綺麗に澄んだ、宝石の蒼。
 冷たく熱く、灰の濁った吐息が濡らす。
 大気を焼き付かせ、雲を吹き飛ばす、雷よりも荒々しく嘶く叫びが、戦場を掻き乱した。
 それは、異質な竜。
 機械を纏った、生きた竜。
 低く高く、咽の奥で小さく鳴く。だがその巨体、如何に潜めようと、否が応にも響き聞こえる。
 焦点の定まらない双眸は、ここに佇むあらゆる物を一瞥した。

 そして、見た。

 空に咲く、異物の華を。