EXCAS


「どいて! どいてよ!」

 叫び続ける白い天使。
 内にいた頼もしい存在の姿と共に、空しく響いて痛い。
 それでも諦めずに刃を落とす。

 迫り来る触腕から枝分かれした触手、さらに続いて触指。無限に空が支配されてしまったかのように思えた。
 空の青さはなく、雲の形はどこにもない。
 太陽を隠してしまう圧迫感を持った、その悪魔を中心に展開される地獄。

 天使の抗いは他の結晶を勢いづかせる事はない。
 意気込む間もなく無残に散る。
 幾数、幾十の命が失われただろう。
 その中に顔見知りや知らない人、どうでもいい人や嫌いな人。数多の顔と命があった。その悉く、無価値の名の元に消えていく。
 一瞬、一秒にも満たない時間の次に訪れる死。
 それが誰か、自分ではないのか。
 その恐怖に怯えて操作する。
 自らを乗せた機械人形を。