ふと聞こえた雑音に、虚ろな瞳が定まりかける。
白い線香花火。
今にも消えてしまいそうで、一瞬が美しいと思わせる花火。
淀みなく進む様が、この世の綺麗を集めた輝きに見える。
此処にいる、とても希薄な存在にも。
何事かを叫ぶ花火は、絶え間なく濁流に抗い続ける。
退ず屈ず叫び抗い続けている。
戯れに、波の底から顔を出す。
そうまでして発する言の葉に興味を抱いた。
それで何が得られるわけでもないのに、何が変わるわけでもないのに、そう理解しているのに。
だが、やはり心打つものではなかった。
落胆と共に、再び深い底へと沈む。
もう一度、懸命に叫ぶ線香花火を。
知らない人物の名を叫び続ける、それを見上げた。
閃光の中に映る、幼い少女。
言の葉より、その姿に。
蒼い右眼が、ひどく痛む。



