EXCAS

『亮太!』

 ヘッドギアから隊長の声。
 順々に部隊員全員の名前が呼ばれ、例外なく心臓が高鳴った。
 高揚感ではなく恐怖心。
 誤魔化すように強く返事をし、仲間全員の顔をモニターに映す。
 これが運命共同体だと、誰もが思う。

『忘れ物をした奴はいるか? 引き返すなら、今のうちだ』
『三時のおやつを忘れた。どうしよう、腹が減る』
「何言っているんです、バナナしか持ってなかったくせに。あれはおやつに入ります」
『おお。それは知らなかった。なら忘れ物はない』
『むしろ帰ったらやる事があるな。急いで終わらせたい』
『ならば頑張りなさい。隊長、我々の意思は共通のようです』
『……そのようだな、さあ。行くとしようか馬鹿者ども!』

 ゼムの号令に従い、新たな味方が参戦する。
 それは果たして蚊ほどか、それとも戦況を揺るがす大河となるのか。
 それは、きっと誰にもわからない。
 定めるべき対象も、この場にまだいないから。