EXCAS

 彼の事を知る人物たちにとって、混沌は永続。
 兵隊である三人には、胸中に大きく閉める形に残り現状打破のために秘められたが。他の三人はそういくまい。
 戦意喪失などではない。
 どうしたらいい、何を思えばいい、ひたすらにわからない。
 今まで在った者が失われる。
 そんな理不尽を、再び感じる事になった。
 水上佐伯。亮太の姉。戦争に巻き込まれ、殺されてしまった人。
 彼女のために、彼らは戦争に参加した。巻き込まれる側ではなく、終わらせる側として。それは唯一してやれる事だから、それしか思い浮かばなかった選択。
 ならば、今度はどうだろう。
 再び失われた、今度は友人。
 彼のために、何が出来るという。
 何をしてやれるのか。
 虚空を眺め涙する詩絵瑠。
 悲しさと空しさに襲われ、出口の見えない思いに囚われた。
 血が滲むまで拳を握るランサー。
 怒りと理不尽さに囚われ、目に映る光景に苛立った。
 蒼白い顔で泣き続けるレナ。
 虚無感と後悔に包まれ、明かりのない暗闇に漂っていた。
 亮太は違った。
 処理出来ない感情に任せて幹を殴り、悩み続ける烏合の衆に叱咤する。

「いつまでグダグタ言っているんだ!
 やる事なんて、もう一つしかないじゃないかっ」

 すべての視線が集中した。
 知った視線、
 知らない視線、
 半端ないプレシャーが彼に圧し掛かる。
 だがそれに負けないよう、なけなしの勇気を振り絞って発言する。