EXCAS

「っあ、」

 消えてしまった誰かがいる。
 消えてしまう誰かがいる。
 失ってしまう何かがある。

 大切な約束を反故にしてまで、無謀と取れる行動を起こしたのは何故だった。
 自殺願望と罵れる戦場に身を投じたのは何故だった。
 混濁した情報の海の中で検索終了(思い出す)。
 無くしたくない誰かを守るため、無くしたくない誰かの力を借りた。
 似た者同士の約束でも、いつからか守れなくなった。

 それが今日、あの瞬間。

 自分のせいで誰かが傷ついてほしくない、自分のせいで誰かにつらい思いになってほしくない。という、理由の見当もつかない恐怖。
 自分のせいで誰かを失う。
 そんな現実を空想にするために、あそこにいたのではなかったか。
 このままここで、朽ち果てる事をよしとするのか。
 自らが届かなくなればどうでもいいと放棄するのか。