EXCAS

 何機落として、いくつ攻撃を防いだか。
 そんな些細な事は忘却の彼方。
 この瞬間を生き延びる、その事だけが思考を占めていた。
 襲い来る銃弾と閃光、防ぐ事難しい消耗を強いられる。
  出来る限り下方から回り込む。
 一騎当千とはよく言った。
 言葉を聞く限り文を読む限り、容易く劇的に演出してくれている。だが、その熾烈さは体感して初めてわかる。これ程の恐怖と緊張、それらを受け止めたからこそ、英雄と称された。
 余分な動きはカット。
 短絡的に直情的に。
 最短距離と最短時間で。
 魔力消費の激しいHI-LITEは使わず、CALIBURだけで致命的な攻撃を与える。
  全力投球ならぬ全力斬撃。
 追撃する銃弾は飲み込まれ、閃光は霧散に処した。
 なお、衰える事を知らない魔力放出は群がる兵卒を切り裂き落とす。
 切っては落とし、再び見える敵の群れ。無限と思わされる現実を前に押し潰されそう。
  弱気な。覚悟したはずだ。
 臆病風に吹かれた自分を殺し、新たな敵に向う。
 限界なんて淡い希望を打ち消し、限界なんて非情な事実から逃げ出して。
 黒と緑の濁流に逆らいながら、螺旋を描いて戦空を駆け巡る。