EXCAS

 銃口が魔術兵装特有の色を吐き出した。
 人間大の光線は、間違いなくショウを飲み込むだろう。
 一秒に満たない間に訪れる、世界が定めた絶対の法則。
 あまたの数がありながら、覆す事の許されない定め。しかし、

『なっ……』

 機械であるにもかかわらず、冷静さを欠いた声が上がる。
 覚悟していたショウは、瞳を閉じようともしなかった。だから、その光景の始終を見た。
 眼を焼く色が眼前に迫る、その数瞬前。

 白い影が飛び込んできた。

 星を描いた陣が形成され、焼き尽くす鉄槌を防ぎきったのだ。
『EXCSA-TYPE00……』
 苦々しく吐いた。捕獲対象とであった事は幸運ではあるが、現状で手放して喜べない。
 出力は半分、戦闘続行に支障はないが敵の力は未知数。
 果たして救援を求めてから持つかどうか。不確定要素が多すぎる戦闘、できれば避けたいものだと毒づく。