残った出力を惜しみなく使い戻って行く。
彼を狙う事はなく、標的を一人に捉えた。同様に、剣を腰に添えて構えた。睨み合いは数瞬、爆竹のように弾け消える。実際には消えたわけではなく、通常の機体よりも高速で移動と攻撃を繰り返しているだけ。空中に弾ける花火はその余波だ。
斬馬刀に対しSABERでは力不足は歴然、衝突のたびに実体を保てず瓦解する。
だが実体なき魔力体、出力さえあれば一秒以内に元に戻る。それでも消費するエネルギーが足りなくなる時は確実に近くなるのだ。
故に衝突は数回、当たるという計算の下に成り立った状況でしか使わない。
互いの速度は同等、距離を取っての射撃は考えない。何より、当たると思えない。第三者が見れば長引くと思うだろ。実際には、両者とも予想外なほど短時間で決着がつく。
初めにその異変に気がついたのは、ショウだった。
どうしてか、身体が重い。
剣を持つ腕が鈍く痛み、盾を張った籠手が維持できなくなっていく。
どうした、と困惑する頭に、知らない単語を含んだ警告が鳴る。
『魔力切れ。戦闘モード『イクシアス』維持限界』
背筋が寒くなる。維持できなければ翼が消え、落下する。
敗北は避けられない。
手にしたいもの、手にしていなければならないものが離れていく。
それが何より怖い。
恐怖心は負の感情の一つだが、何より力を得るという事から遠ざかる。
焦燥、力の加減を知らない全力行為。
悉くかわされ、不利な立場へと追いやられていく。
彼を狙う事はなく、標的を一人に捉えた。同様に、剣を腰に添えて構えた。睨み合いは数瞬、爆竹のように弾け消える。実際には消えたわけではなく、通常の機体よりも高速で移動と攻撃を繰り返しているだけ。空中に弾ける花火はその余波だ。
斬馬刀に対しSABERでは力不足は歴然、衝突のたびに実体を保てず瓦解する。
だが実体なき魔力体、出力さえあれば一秒以内に元に戻る。それでも消費するエネルギーが足りなくなる時は確実に近くなるのだ。
故に衝突は数回、当たるという計算の下に成り立った状況でしか使わない。
互いの速度は同等、距離を取っての射撃は考えない。何より、当たると思えない。第三者が見れば長引くと思うだろ。実際には、両者とも予想外なほど短時間で決着がつく。
初めにその異変に気がついたのは、ショウだった。
どうしてか、身体が重い。
剣を持つ腕が鈍く痛み、盾を張った籠手が維持できなくなっていく。
どうした、と困惑する頭に、知らない単語を含んだ警告が鳴る。
『魔力切れ。戦闘モード『イクシアス』維持限界』
背筋が寒くなる。維持できなければ翼が消え、落下する。
敗北は避けられない。
手にしたいもの、手にしていなければならないものが離れていく。
それが何より怖い。
恐怖心は負の感情の一つだが、何より力を得るという事から遠ざかる。
焦燥、力の加減を知らない全力行為。
悉くかわされ、不利な立場へと追いやられていく。



