私…千羽智鶴は中学の時の初恋の相手を忘れない。それともうひとつ。一人になる寂しさを…決して忘れない。


今日は中学3年初日…小さい頃から友達は少なく、かといって親友もいない。おとなしかった智鶴。自分から遊びに誘ったり声をかけたり…ましてや男子に絡むことなんてしてこなかった自分。人生に一度しかない中学生の時期に…楽しめないなんて勿体無い。3年になると同時に変わろう。そー決意して登校した始業式。

(えーこれから…霞中学校始業式をはじめます。)

始まった…新しいクラス。絡んだことのない人たちと…新しい自分とで…思い出をつくろう…

『あれ、智鶴と同じクラスだ!!よかったー!!』
智鶴『千恵…』

山下千恵…小学校の時から唯一話せる友達だ。友達と思ってるのは自分だけかもしれないけど…一緒にいて、気が楽になる存在だ。

千恵『智鶴と同じクラスかー、小学校以来だねw』
智鶴『うん、よろしく。』

智鶴(よかった…千恵ちゃんと同じクラスだ。楽しめるといいな…)

3年1組…、これから始まる新しいクラス。うまく馴染みたいと思ってた所に千恵が隣にいてくれた。ワイワイガヤガヤ…男子たちはすぐに馴染め1ヶ月もする頃にはふざけあいなどもしている。このクラスの中心になりつつある男子はだいたいすぐ決まる。勉強はできないが…友達が多く、運動神経がいい。そしてなにより頼られる存在。

担任『おーい学級委員!!』
『なんすかー?』

そぉ…私の初恋相手…白井拓馬。

担任『中学生活ラスト1年だ。クラスをうまくまとめて…最高の思い出になるよう努力しなさい。それと…女子の学級委員がいまだに決まらないのはなせだ!はやく決めなさい!』
拓馬『あいよーそのうちな!笑』

唯一ひっかかる場所は…言葉使いが悪い。おとなしい私には…多分ノリがあわないであろう。

千恵『おーい智鶴ー!!あんた学級委員やったら?大変な時とかあったら手伝うからさ!中学生活もラストでしょ?最後くらい男子とからみなよ!あんた可愛いんだしwそれに…白井君かっこいいよ?♡』
智鶴『そんなこと言われてもー…無理だようちじゃ。こんな性格だし…友達だって千恵ちゃんしかいないし…クラス全員まとめるなんて…』
千恵『……、智鶴あたしのこと友達って…始めて言ってくれたね。嬉しいよ!!♡ねー白井くーん!!』
拓馬『ん?』
千恵『智鶴が学級委員やりたいって!』

智鶴『えぇ!?ちょっとーそんなことゆってな…

拓馬『おーー!!やってくれんの?一人じゃ大変なんだわ!たすかる!』
担任『なんだ、騒がしいな……お!学級委員きまったか?千羽さんか!拓馬はガキだからよろしく頼むぞ?』

拓馬『だれがガキだ!笑』

『クラスメイト』 ははははは!笑
すごい…智鶴は先生と打ち解けてみん
なを巻き込んでいく拓馬のことを…いまこの瞬間から憧れの存在となる。

拓馬『なー、せん…ばさん?千羽さんだよな?あのさ…いろいろ決めなきゃだよな?学級委員て…だからあのさ!LINE交換!はい!これおれのな!夜でもいいからLINEよこせよ!!』

智鶴『あ…うん。』

異性と連絡先を交換すること…わたしにとって、人生で始めての出来事だった…。
その晩、拓馬と他愛のない話をしながらクラス目標などを決めて行くのに連絡をとっていた。ただ…学級委員として…男子と連絡をとっていた。

次の日の朝…

千恵『ごめん…』

智鶴『え!!?』

千恵『なんか…一部の女子でさ…拓馬くんと連絡とって調子乗ってるとか、智鶴の悪口いってるの聞こえてさ…うちが智鶴にやらせたじゃん?だから…』

智鶴(そーだよね…ってか、わたしが男子と連絡とるなんてね…しかもイケメンな)
智鶴『ううん!やっぱ男子と関わるの向いてないかも!!でもまぁ…学級委員としてだから…がんばるよ!千恵と隣にいてくれるわけだし!!』

千恵『ぢーづーるーぅーーーー!!!!』

ぎゅ。

智鶴『なになにいきなりー!笑 はずか『しいよ!』

千恵『だっでぇーあんたほんといい子!!』

智鶴『もーわかったわかった。笑』
智鶴(ってか…え?あれ?わたし拓馬くんのこと…イケメンだし…って。まぁそんなのどーでもいいか)