次の日。

教室に入ると沢村が不機嫌な様子で近寄ってきた。

首をかしげていると、手首を掴まれて教室から引っ張りだされた。

「ちょっときて。」

沢村の口からは聞いたこともない低い声だった。

「え?さ、沢村?なんかあったの?ねぇ!」

そんなことを言っている間に着いたのは図書室。

朝早くてひと気はない。

そこでやっと手を離してくれた。

くるっとこっちへ振り返った沢村の顔は何か怒っているみたいだった。