目が合って、私にとっては止まったような時間でも、彼にとってはほんの数秒。
すぐに目を携帯へと戻してしまった。

再生ボタンを押されたようにホームの放送の音が聞こえ私の時間が動き出す。
動けずにいた足を他のベンチに向かわせた時だった。

「……1年?
遅刻…だよね?」

期待、緊張、喜び……
何かわからない感情が胸を強くドキドキさせる。

振り向いて彼を見ると、あいかわらず携帯のゲームに視線があって、少しだけホッとした。
目が合うと簡単な言葉すら出てこない気がして…。

「……はい。
……病院に行ってました。」

思いっきり鼻にかかった声が何だか恥ずかしい。

「」