.**里美side**.

「里美ぃー!朝よ!」
「ん?あ、あと五分…。」
「起きなさい。」
うぅ。お母さんからの目線怖いよ…
私はしぶしぶ起きた。

って…まって!?
昨日の出来事を整理してみた。

__翔とぶつかる。
__コンビニで会う。
__缶ジュース、飲まれる。
_____…っ


今日はあんまり学校に行きたくないよぉ!!!

「里美?外に誰か来てるけど…もしかして彼氏さん?」
えっ??
私は急いで顔を洗って制服に着替えて外にでてみた。
そこには………。

「っ…井上翔!?」
「よっ!里美」
う、うわぁ……
あっそういうばっ!
「なんで私の名前っ!」
「彼女の名前知らねーやつがどこにいる。」
た、確かに…。でも教えてないし。
「早く行くぞ」
「行くって…?」
「学校だよ」
えぇーー????
マジですか……。
こ、これじゃあまるで…
「本物のカレカノみたいじゃんかっ!!!」
やだよやだよ!!そんなの…
「あ?カレカノじゃねーんか?」
少し怖い……。
私がなにも言えないまま黙っていると…

「だから大丈夫。お前はまだ俺のこと好きじゃねーのは知ってる。
 ………でも………」
「な、なに…?」

「俺はお前を必ず落とす。」

…………絶対ないから!!!

まぁ、確かに顔がすっごく整ってて、背が高くて、手足長くて、スタイルよくて…

…いいと思う。

けど…私、まだ井上翔の中身を知らないの。
いくら顔がよくたって中身がよくなきゃダメだと思う。

それに……
『どこが好き?』って聞かれて『顔』って言われてもあんまり嬉しくないと思う。
相手がそれじゃあ可哀想。

だから私は不安。

「…み!里美!」
「あぁ!ごめんなさい!」
「なにぼーっとしてんだよ。」
「考え事してました…。」
「誰のこと考えてた?」
「いのう……あっ!誰でもないっ!」
あ、あぶなっ!!!
「……あっそ。行くぞ。」
「う、うん」

私完全に振り回されてる…。

私は井上翔の隣を歩いて学校に登校した。