僕は、ペットボトルの水を飲み干した。

「新緑の草、綺麗。水がついてて、キラキラしてる。翡翠色……。」

ハルは、まつ毛を伏せてにっこり笑った。

「そうだね…。」
僕はハルの横顔を見て、呟いた。

……小さな事に目を向けれる。素敵なやっぱり、不思議な子だ。

「…………」

間が空く。

どうしよう。気まずい。

なにか話さないと……。

「あのっ!」
「ねぇ、」

「「あ」」

「なに?」
ハルは微笑む。

僕はこの微笑みに弱い。

「えっと……夢とか…ある?」

「夢かぁ…私は歌手になるのが夢なの…」

「歌手、かぁ…凄いね。僕は夢すら無いよ。」

「夢は、いつか、できるよ。無理しなくていいの夢はどんなに小さな夢でも素敵なの。」

そういうハルは輝いて見えた。

「ハルはなにを言おうとしてたの?」