色素の薄い髪の毛。
寝ぐせなのか、毛先が跳ねている。


ここで寝ていたのか、髪を乱雑に梳きながら、眠たげな目を必死に開けてるよう。


そのまま寝とけばいいのにと思う。




「誰の許可がいるの?先生?」



それともあなた?

――と聞けば、舌打ちが返ってきた。

少し男への評価が変わった。


意外にも高慢じゃないのかもしれない。




「……なんの用だよ」



男の瞼は岩のように重たそう。

閉じては開く、その様子が近所の猫にそっくり。



この男に用があってここに来たわけじゃないし、この男が勝手に居たってだけの話なのよね。


くわーと大欠伸をかまし、涙まで浮かべる姿に、ほんと猫に瓜二つだと笑う。