無表情気味の顔に、苛立ちが含まれていたから。


そんな様子の彼に、

気を悪くされちゃったかもしれないと慌てる私に、写真をスーツの内側のポケットの手際よく片づけていくユズルさん。


「また来る」

言葉とは裏腹に、突き放すような声音。

いつものように

「うん」

手を振って笑うなんて到底できなくて、



「絶対…ぜったい、きて?」


テーブル越しに


「約束だよ…?」


ユズルさんの腕を掴んでいた。


身体が強張っているのに気付いたけど、腕を離してあげることができなかった。

二拍沈黙が流れたあと、「…ああ」と気のない返事が返ってきた。