ゆ、忌々しき事態…だ。
ついに私は、反射神経だけじゃなく、記憶力にも欠陥があったことが発覚しようとしている。
記憶にあるユズルさんは……
一言でゆうと、朝日のような眩しい人。
まるでお伽噺にでてくる、白馬の王子さま。
あのはにかんだ柔らかい笑顔が好きなのに……ここにいるユズルさんは、一体全体どうしたというのだろう――。
「アンタが、元気そうでなによりだ」
ポツンと、零された言葉に、ますます男の人を凝視するしかない。
私は、元気、とくに今日はご機嫌だった。だってユズルさんが来てくれたって聞いたから、飛び上がるほど嬉しかった。


