「……え?」
私は霧雨 星空(きりさめ かなた)。
いわゆる普通の高校生だ。
今、唐突にお母さんから何か聞かされた事までは覚えてるんですけど…
「もう一回…言って?」
とりあえず、聞き返してみる。
すると髪を一つに束ね、
ピンクのエプロンを着て膨れっ面している
お母さんが口を開いた。
「だから~私、ちょ~っと長い間
海外出張になっちゃって……。
星空に会えないのは寂しいけど、
その間、親戚の所にお世話になってね?」
お母さんの言葉に私は冷静さを無くした。
……いや仕方ないですよ。これは。
「……!?…そんな事急に言われても…
て、いうか、海外出張…!?
それ早く言うべきじゃない……?
何、今更娘に衝撃発言してるの……!?」
普段から無口と言われる私だけど、
これは流石に大声出さずにはいられない。
……ていうか、なんでそんな
ゆったりしてるのよ…お母さん。
もう…目が「これ伝えたら二度寝しよう」
状態に入ってるの見え見えですよ……
「えっとぉ……確か…来週辺りだったかな」
海外出張の予定曖昧じゃ困るだろ……
「って、え!?はや!?来週!?」
「……てへぺろ☆」
霧雨星空、16歳。
初めて親に殺気を放ちました。